ランサーズやクラウドワークスの場合、毎月入金があるとは限りません。売上が低いときは金額がある程度まとまってから、振り込み依頼をする方も多いのではないでしょうか。私も振込手数料の節約のために、キャリーオーバーに設定しています。
毎月入金があるなら入金時に源泉分を計上できますが、入金時が未定の場合はいつ計上すればいいのでしょうか。悶々と悩んだ末、税理士に尋ねたところ、あっさり解決しました。
「仕事完了時に、ランサーズ上の口座で源泉分を差し引かれて処理が完結していることから、入金前に計上してもいいだろう」とのこと。確定申告に向けて、年末は入金前でも源泉分を計上します。
仕訳例
12月の売上時
売上額が9,168円、源泉所得税額が957円のときは、合計して10,125円を計上します。今回は同じ金額の取引が二回あったとします。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
12/10 | 売 掛 金 | 10,125 | 売 上 | 10,125 |
12/10 | 支払手数料 | 2,025 | 売掛金 | 2,025 |
12/15 | 売 掛 金 | 10,125 | 売 上 | 10,125 |
12/15 | 支払手数料 | 2,025 | 売掛金 | 2,025 |
年末の決算整理
まだ入金がされていない源泉分の合計(957円+957円=1,914円)を、事業主貸で計上します。その際、補助科目は「源泉徴収税」と設定しておくと便利です。補助科目がない場合は自分で作ります。
日付 | 借方 | 補助科目 | 金額 | 貸方 | 補助科目 | 金額 | 摘要 |
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12/31 | 事業主貸 | 源泉所得税 | 1,914 | 売掛金 | ランサーズ | 1,914 | 未入金分 |
年始の入金時
源泉分は年末にすでに計上しているので、入金時の仕訳はなしです。入金額と振込手数料のみ仕訳します。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
1/27 | 普通預金 | 14,186 | 売掛金 | 14,286 |
1/27 | 雑 費 | 100 |
源泉徴収された金額を調べるには
ランサーズでされた源泉徴収は「支払管理→源泉徴収一覧」でチェックできます。月を選択すれば、月ごとの明細が表示されます。
確定申告書の記入例
確定申告書Bの「44番:所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」に、源泉徴収された合計を転記します。ここに入力すれば、残りは自動計算してくれるはず。下記の場合は、2,392円の還付金がもらえる計算です。
忘れがちですが、源泉徴収された場合は「確定申告書Bの第二表」にも記載が必要です。前もって、源泉徴収された金額はクライアント別に集計しておくと便利です。
所得の種類は事業所得なら「営業」になります。収入金額は源泉分を含めた売上合計、そして源泉徴収された金額をクライアント別に記載し、合計額を記入します。
支払調書について
源泉徴収した額が明記されているのが「支払調書」です。これは確定申告で提出の必要はないものの、保管の義務があります。
これはあくまでクライアントが税務署に提出する書類であり、報酬を支払った人への送付は義務づけられていません。良心的なクライアントであれば、毎年1月ごろに送付してくれますが、送られてこなくても確定申告はできます。
ですが、金額の帳尻が合っているかの確認も含め、できれば入手しておきたいものです。源泉徴収税額の記入欄への転記も楽になりますしね。送られてくるか不安なときは、前もって「支払調書をいただけますか?」と聞いてみましょう。
ランサーズは年間収支に源泉徴収額の合計が記載されているため、源泉徴収先クライアントが1つなら、こちらを代用してもいいかもしれません。年間収支は「支払管理→入出金履歴→▲▲年の収入を見る」から確認できます。