会計ソフトで確定申告書を作ったら、e-Taxと連携させたいですよね。
結論から言えば、e-Taxで会計ソフトで作った申告書のデータ取り込みはできます。しかし、いくつか問題があります。
国税庁のe-Tax申告方法は4つ
e-Taxファイル(.xtx)が読み込めるのは、e-TaxソフトのWEB版とダウンロード版のみとなっています。
ここで問題となるのが、マイナンバー(個人番号)の入力。マイナンバーは「特定個人情報」に分類され、氏名・生年月日・住所などの「個人情報」よりも機密性の高い情報です。
氏名だけでは個人は特定できませんが、住所や生年月日のデータが加わることで対象が絞られますよね。ところがマイナンバーはその番号だけで個人が特定できるのです。
マイナンバーの入力ができない?
個人情報は「個人情報保護法」によって守られていますが、特定個人情報は「個人情報保護法」と「マイナンバー法」によって守られています。
マイナンバー法は、個人情報保護法と比べて、取り扱いのレベルが厳しくなっています。そのため、セキュリティ観点面から、会計ソフトからはマイナンバーが入力できない仕組みになっています。
送信前にe-Taxソフトからマイナンバーを入力する必要がありますが、「e-Taxソフト(WEB版)」は会計ソフトで作ったデータの修正を行うことができません。つまり、マイナンバーの入力ができないのです。マイナンバー欄を未入力で送信しても受付はしてくれるようですが、後日、問い合わせがくる可能性があります。
「e-Taxソフト(ダウンロード版)」はマイナンバーの入力はできますが、はっきり言って上級者向けです。私は税理士と一緒に、ダウンロード版で確定申告を済ませましたが、プロの税理士でも戸惑うレベルの不親切なソフトでした。
自動計算はしてくれないし、マニュアルも不親切だし、何度間違えたことか。マイナンバーの入力もどこからすればいいのかわかりにくく、税理士の方と一緒に探し回しました……。
MFクラウド確定申告
MFクラウド確定申告では、マイナンバーは手書きで書くように注意書きがされています。扶養者がいる方は、自分の番号だけでなく扶養親族の個人番号の記入も忘れないようにしましょう。
freeeの電子申告アプリ
クラウド会計ソフトの「freee」もマイナンバーの入力は不可ですが、freeeの電子申告アプリ
は別です。
電子申告とは、freeeの個人事業主プランを選択している人を対象にした電子申告のことです。e-Taxソフトを利用せず、freee上だけで確定申告書の送信までができる仕組みなんです。まさに画期的ですね! ただしアプリといっても、モバイルやMacは使えず、利用できるのはWindows端末のみですのでご注意を。
ちょっとちょっと、ご覧ください。マイナンバーの入力欄がありますよ……!
やよいの白色申告・青色申告オンライン
やよいシリーズでは基本的にマイナンバーの入力や保存はできませんが、PDFのダウンロード時にマイナンバーを入力することが可能です。このマイナンバーは保存されず、あまくで印刷の出力時のみに反映させるものです。
e-Taxファイルへの反映はできませんが、印刷して郵送もしくは税務署に直接提出する際に、重宝できそうですね。
自分で落としどころを決めるしかない
正攻法でe-Taxファイルを読み込んで、マイナンバーの入力まで完璧にやりたい方は、e-Taxソフト(ダウンロード版)の一択です。ただし、前述したとおりに玄人向けのソフトで、初心者にはおすすめしません。
ですが、「freeeの電子申告アプリ」はマイナンバーの入力もできる、神ツールとなっています。他の会計ソフトでも同じような機能が出てほしいですね……切実に。もしくはこれを機会に「freee」に乗り換えしようかな……。
税理士の方が勧めてくれたのは、「確定申告書等作成コーナー」で入力していく方法です。会計ソフトで確定申告書等を印刷したものを見ながら入力するのが一番簡単だろう、とのこと。
確定申告書等作成コーナーは、画面上の案内に従って入力すれば転記&自動計算してくれるため、初心者にもわかりやすい作りです。
e-Taxにこだわらないのであれば、確定申告書等をpdfで印刷し、その他必要書類をつけて、税務署に郵送で送るのもアリかなと。印刷して郵送する場合は、手書きでマイナンバーを記入してくださいね。封筒と切手代はかかりますが、混雑した税務署に行く手間が省けます。