A8.netの成果報酬レポートを見ていると、税抜きだったり、税込みだったりして混乱する方も多いのではないでしょうか。とくに、売上日は成果が発生したときか、報酬が振り込まれたときか、など初心者には難しく感じるかと思います。
今回は、A8.netのアフィリエイト売上があったときの仕訳例をご紹介します。
目次
アフィリエイト売上の仕訳について
アフィリエイトで広告収入がある場合、まず成果が発生します。次に、広告元で成果が承認されてから初めて報酬が確定します。最後に、最低振込金額に達した確定報酬金額がASPから振り込まれます。
承認済みの成果のみを売上と見なしますので、報酬確定日に売上を計上するのが一般的です(実現主義)。ただ、提携しているプログラムが複数あり、報酬確定日が多くなると管理も大変ですよね。ASPによっては、翌月に確定報酬金額のメールが届きます。そのタイミングで、先月分の売上をまとめて計上してもよいでしょう。
1ヵ月分まとめて計上する場合、売上日は好きな日でOKです。メールが届いた日でも、先月の1日や先月の末日でも、自分がわかりやすい日にすると記帳が楽かと。私は先月の末日で統一しています。
消費税については、免税事業者かそうでないかで処理が変わってきます。売上高が1,000万円以下の事業者は「免税事業者」となり、消費税の納税義務が免除されます。そのため、免税事業者の売上は通常、税込みで仕訳します。
売上データの仕訳
売上高が1,000万円以下なら売上は税込みで計上しますので、A8.netの場合、成果確定レポートにある確定報酬額(税込)の金額を入力すればOKです。
私は1ヵ月まとめて計上する場合、売上月の末日で計上しています。借方を売掛金、貸方を売上高で処理します。アフィリエイト収入が他にもある場合、補助科目にASPの名前を入れておくと、売上別の収益や計上もれが判別しやすくなります。
日付 | 借方 | 貸方 | ||||
勘定科目 | 補助科目 | 金額 | 勘定科目 | 補助科目 | 金額 | |
10/31 | 売掛金 | A8.net | 1,836 | 売上高 | A8.net | 1,836 |
11/30 | 売掛金 | A8.net | 5,616 | 売上高 | A8.net | 5,616 |
入金データの仕訳
私は振込手数料節約のため、5,000円支払方式を選んでいます。今回は10月と11月の売上高が翌々月の15日に振り込まれたときの仕訳をします。
通常、自分が負担する振込手数料は「雑費」で処理します。先方負担のときは勘定科目を振込手数料とするのが一般的ですが、税務署もそこまで突っ込まないと思いますので、今までやってきた方法で大丈夫です。簿記において大事なことは、統一して継続することですので。
事業用口座に振り込まれたケース
事業用の口座が複数ある場合、補助科目に銀行名を入れておくと便利です。
日付 | 借方 | 貸方 | ||||
勘定科目 | 補助科目 | 金額 | 勘定科目 | 補助科目 | 金額 | |
1/15 | 普通預金 | ゆうちょ銀行 | 7,422 | 売掛金 | A8.net | 7,422 |
1/15 | 雑費 | 振込手数料 | 30 | 売掛金 | A8.net | 30 |
プライベートの口座に振り込まれた場合
プライベートの口座への入金は「事業主貸」で処理します。
日付 | 借方 | 貸方 | ||||
勘定科目 | 補助科目 | 金額 | 勘定科目 | 補助科目 | 金額 | |
1/15 | 事業主貸 | 7,422 | 売掛金 | A8.net | 7,422 | |
1/15 | 雑費 | 振込手数料 | 30 | 売掛金 | A8.net | 30 |
A8.netの振込手数料
成果報酬の銀行口座への振込時、発生する振込手数料はこちらで負担しなければなりません。したがって、振込手数料を差し引いた金額が実質の収入(振込金額)となります。
振込手数料はゆうちょ銀行が最安値ですが、支払方式・口座情報の修正で「金融機関の種類:銀行」から「ゆうちょ」を選択した場合、他行宛と見なされます。登録の際は、「金融機関の種類:郵便貯金口座」を選び、5桁の記号と8桁の番号を入力しましょう。
ゆうちょ銀行の郵便貯金口座
- 一律:30円
三井住友銀行渋谷駅前支店宛
- 3万円未満:108円
- 3万円以上:216円
渋谷駅前支店以外の三井住友銀行宛
- 3万円未満:216円
- 3万円以上:432円
三井住友銀行以外の金融機関宛
- 3万円未満:540円
- 3万円以上:756円
自動連携されたときの仕訳(MFクラウド確定申告)
MFクラウド確定申告でA8.netとデータ連携をすると、報酬確定日に売上データが取り込まれます。これにより売上高の入力もれが防げます。
自動取り込みされたときは、以下のように未仕訳のデータが表示されます。
自動取り込みされたデータは税抜金額になっています。アフィリエイト報酬は「売上高」、未払成果報酬は「売掛金」で処理します。それぞれ補助科目を「A8.net」と設定しておくと、残高試算表での確認が楽になります。一度、勘定科目を仕訳すると、次から自動仕訳されます。
免税事業者の場合、税込み金額に修正して登録すればOKです。
最後に、売上データの累計が正しいかを確認してみましょう。MFクラウド確定申告の場合、左メニューから「会計帳簿」→「残高試算表」→「損益計算書」とクリックすると、入力済の売上高の金額が確認できます。貸方金額にある数字が、今期の売上高の合計です。
A8.netの画面では、上部にあるメニューから「レポート」→「振込レポート」とクリックすると、来月振込予定額と繰越金額合計が確認できます。この金額が会計ソフトの売上高とイコールなら記帳が合っている、ということです。
できれば、この確認作業は毎月やっておくことをおすすめします(税理士談)。確定申告前の最終確認でもぜひやっておきたい作業です。